COFFEE & LOVE―秘書課の恋愛事情―
「…基くんってそんなキャラだったっけ?」
『…本音なんですけどね』
心から茶化したわけではない。もちろん私の言葉だって本音だ。
けれど目の前にいる彼の気持ちが嬉しくて、どこかくすぐったく感じているのも本当だった。
「ううん、ありがとう。
時間はかかるかもしれないけど、ちゃんと二人を応援したいって思ってる」
そして、楓のことも。
誰よりも幸せであって欲しいと心から思う人。
『中島さんのそういうところ、素直に尊敬します』
「…基くん、もしかして花緒に似てきたんじゃない?」
そう言って笑った私の頬を優しく撫でるように吹いた風に、
涙がじわっとこみあげた。
NEXT
*CAFE AU LAIT