COFFEE & LOVE―秘書課の恋愛事情―

「…基くんってそんなキャラだったっけ?」

『…本音なんですけどね』

心から茶化したわけではない。もちろん私の言葉だって本音だ。

けれど目の前にいる彼の気持ちが嬉しくて、どこかくすぐったく感じているのも本当だった。

「ううん、ありがとう。
時間はかかるかもしれないけど、ちゃんと二人を応援したいって思ってる」

そして、楓のことも。
誰よりも幸せであって欲しいと心から思う人。


『中島さんのそういうところ、素直に尊敬します』

「…基くん、もしかして花緒に似てきたんじゃない?」


そう言って笑った私の頬を優しく撫でるように吹いた風に、

涙がじわっとこみあげた。


NEXT

*CAFE AU LAIT
< 271 / 449 >

この作品をシェア

pagetop