COFFEE & LOVE―秘書課の恋愛事情―

すると傍のベンチに腰かけたであろう二人の会話が聞こえてくる。

その時ふと、芽生えてしまった悪戯心。

二人のこと、驚かしてやろうっ!

『…ところで、そういう中島さんはどうなんです?』


『え?どうってこの通り、元気よ?』

確かに、元気どころか有り余ってるんじゃないかな!
ここ最近は忙しさのせいもあり、元気というより勇ましさの方が増した気さえする。

今にも零れそうになる笑みをぐっと堪える。

よし、そろそろ…

『…気付いてたかぁ』

そう思った時、これまでとは違う彼女の真剣なトーンに立ち上がろうと力を込めた足を止めた。

『うん…もう打つ手なし、って感じだよね。
あの通り勇太は理央しか見えてませんって感じだし』


え?

…私?

『告白すらできないってわけ!片思いもいいとこ!』

どういうこと…?

そう言った明るい声に目の前が真っ暗になるような衝撃に襲われた。
もう一度その声が放った言葉を脳内で反芻(はんすう)する。

昭香先輩が、有松さんのことを…好き?
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