COFFEE & LOVE―秘書課の恋愛事情―
いつもは大好きなこの部屋さえ、今日は落ち着かなく感じる。
部屋着に着替えようとブラウスに手をかけた
その時、テーブルの上へ置いたスマートフォンが音を立てた。
メッセージの通知音。
「誰やろ…」
指先で画面に触れると、表示されたポップアップを覗き込むように見た。
それは恐らく今日、一番見たくない名前だった。
それでもこの胸を掴まれるような甘い痛みは、彼への想いを叫んでいるようだ。
脱ぎかけのブラウスをそのままに、スマートフォンを手にするとメッセージを開いた。
《今週末、空いてるか?》
そのメッセージを目にした瞬間、彼の笑顔が浮かぶ。
『…ちゃんと告白するから。待っててくれるか?』
あの日から一週間。
正直に言うと、その日が来ることをすごくすごく楽しみにしていた。
服はどうしよう、
髪型やメイクは。
ここ数日はとりわけそんなことばかり考えていた。