COFFEE & LOVE―秘書課の恋愛事情―
【まもなく、さつき台、さつき台…】
このアナウンスが聞こえるまでの記憶がほとんどない。
緊張のせいか、駅に着くころには背中には変な汗をかいていた。
「あ、じゃあ…あたしここなので…」
そう言うと椅子からそろりと立ち上がる。
『…わかった、家まで気を抜くなよ』
…あなたは上官かなにかですか?
心の中でツッコミを入れつつ、ヘラヘラとお礼を告げた。
電車が停車したので、挨拶をしようと振り返る。
「有松さんもお気をつけ『日比野』
近くで声がしたと思った瞬間。
扉が閉まる音と共に腕を引かれてホームへ出た。
…何が起きたの?
頭が働かない。
目の前には、有松さん。
ゆっくり顔を上げると目が合った。
『今度、一緒に行かないか。
…パン屋』
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*CAFE LATTE