COFFEE & LOVE―秘書課の恋愛事情―
『…あ!きたきた!優香先輩こっちー!』
明るく可愛らしい声が耳に届くと、そちらへ視線を向ける。
さらさらのロングヘア、くりっとした目。
春らしいレモンイエローのカーディガンがよく似合う。
声に反応して彼女を振り返った男性が、その美貌に釘付けになっている。
その視線を横切るように
彼女が座るテーブルへ歩みを進める。
「…おはよう。朝から元気だね」
彼女は日比野 理央
同じ課で働く後輩だ。
『ちょっと聞いてくださいよぉ!
昨日の合コンで本当に最悪で!!』
私がテーブルにつくやいなや意気揚々と話し始める。
「うん。あ、コーヒーありがと」
お礼を言いながら代金を手渡す。
いつものホットのブラックコーヒー。
私と理央は毎日ほぼ定刻に集まるので、
先にコーヒーを買っておいてもらう。