COFFEE & LOVE―秘書課の恋愛事情―
『昭香先輩、花緒先輩!こっちですー!』
「おはよう、優香ちゃん、理央ちゃん」
『おはようございます』
優香ちゃんがいつものポーカーフェイスで答える。
皆が挨拶を終える前に理央ちゃんが涙声でうなだれた。
『聞いてください…聞いてくださぁぁぁぁい!』
『え、理央どうした!?』
昭香さんがぎょっとしながら聞く。
『有松さんに…悪魔に…
パン屋に…誘われました…』
あらまあ。
『あ、そういうことだったんだ。
…でもなんでまた、パン屋?』
これにはさすがの優香ちゃんも…まぁ少し驚いているのかも。
そう言った相変わらず表情は変わっていないけれど。
すると、ガタンっと椅子を鳴らした昭香さんが前のめり気味に言う。
『え!?待って!あいつパン屋開くの!?
いつ!?』
驚きのあまりボリュームが大だ。
『開きませんよぉ…もぉ…昭香せんぱいぃ…』
理央ちゃんが力なく机に突っ伏した。
昭香さんは相変わらずの天然だ。
今日も平和に一日スタートです。