COFFEE & LOVE―秘書課の恋愛事情―
私の腰を掴んで深く引き寄せると、その動きは更に激しくなった。
「…も、駄目…っ」
再び落とされる深いキスの合間に、吐息に紛れて声が漏れ出す。
熱に魘されるように声を上げる私を、彼は捕らえるようなその目でまっすぐに見つめた。
『…っ』
彼は苦し気に息を吐き出すと、お腹に感じる強い圧迫感と共にその動きを止めた。
その余韻を感じながら、私は何かに飲み込まれていくような感覚に襲われていた。
蟻地獄のように、ただ静かに砂がゆっくりと下へ下へと滑り落ちていくようなその感覚が妙に心地良い。
『…花緒』
その腕が私を優しく私を抱き寄せると、いつもよりも強く脈打つ鼓動が触れ合った胸から伝わる。