COFFEE & LOVE―秘書課の恋愛事情―
彼のその表情や口調がどこか少しだけ険を含んでいるように感じた。
「機嫌、悪いんですか?」
『…悪くない』
彼は表情を変えずにそう一言言った後、私の隣へ腰かけると
景色を眺めるように目配せをする。
…絶対悪いじゃん!!!!!!
こういうマイペースな彼の態度にも、きっと昔の私なら震え上がっていただろう。
けれど今は違う。
言葉や行動がどれだけぶっきらぼうでも、誰よりも優しくて温かい人。
…たまに不思議過ぎて宇宙人な時もあるけれど。
「…綺麗じゃないですか?ここ。
映画のワンシーンみたい」