COFFEE & LOVE―秘書課の恋愛事情―
『俺と、付き合って欲しい』
その言葉を噛み締めながら、その目をまっすぐに見つめ返す。
気付くと私の目からは、ぼろぼろと大粒の涙が零れていた。
「はい…っ」
彼の手が心地良い力で私の手を握り直すと、彼は再び私の顔を覗き込んだ。
その視線はまるで子供をあやすように、柔らかくて優しい。
『泣くなよ』
「…こ、これは…っ
心の汗ですから!!!」
『アホか』
彼は喉を鳴らすように笑うと、眉を下げて優しく微笑んだ。
その笑顔に、胸が甘く締め付けられるように痛む。