COFFEE & LOVE―秘書課の恋愛事情―
『いいえ!で!ですね!聞いてください!
延々に過去の武勇伝語りで!!もううんざり!』
彼女はそう言うと、むうと口を膨らませた。
「そう。残念だったね、理央すごく楽しみにしてたのに」
『ほんとですよぉ!』
涙声でこちらを見る彼女にふっと笑いがこぼれた。
整った可愛らしい顔がくるくると表情を変える。
ずっと見ていても飽きない。
『おっはよー!』
肩に手が置かれる感触に、後ろを振り返ると
カーキ色のタイトスカートが目に入った。
目線を上げると既に手にコーヒーを持っている。
『理央、声デカすぎー!』
と眉を下げて笑いながら席に着く。
彼女は中島 昭香先輩。
理央と同様、同じ課で働いている。
彼女は一番先輩だ。
「昭香先輩、おはようございます」
『おはよっ!
あ、そうそう。今日花緒は朝はジムだってさ!』
そうハキハキと話すと、手にしたコーヒーに口をつける。