COFFEE & LOVE―秘書課の恋愛事情―

それにしても、イタリアンオムレツ、美味しかったな。
お弁当に入るかも、と期待していたが、どうやら夜限定らしい。

今日、行ってみようかな。


『雨の日って憂鬱ー。髪の毛うねるし』

会計を待つ間、理央がわずらわしそうに髪の毛に手櫛を通した。


「そう?私は割と好きかも…いい匂いするし」

『優香先輩は髪の毛ツヤツヤですもん、そりゃあストレスもないでしょうよ!』

そう言って彼女は口を尖らせた。


雨の日は好き。

暗く淀んだ空が、無理して笑わなくていいと言ってくれているようで。

私は私でいいと寄り添ってくれる感じがするから。


店の外に出るとコンクリートの湿った匂いが押し寄せてきた。

私は雨の匂いを吸い込むと、お気に入りのワインレッドの傘を広げた。


NEXT


*RAINY DAY
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