COFFEE & LOVE―秘書課の恋愛事情―
『…』
春田くんは突然黙り込むと、きょとんとした顔になる。
「どうかしました?」
『いや、えっと…』
落ち着かない様子で、空いているほうの手で首を触る。
さっきまで騒いでたと思えば、次はしどろもどろ。
さすが百面相。
「じゃあそろそろ行きますね。
あと私、
春田くんの作る料理、好きです」
それじゃあ、と軽く会釈をして帰る方向へ歩き出す。
『…あの、また来てくださいね!』
後ろから聞こえた声に再び会釈をした。
イタリアンオムレツは次回に持ち越し。
でも今日は彼の百面相でお腹いっぱいかも。
ニコリと垂れた目を思い出すと、またじわっと心が温かくなった
気付けば、傘に当たる雨の音が小さくなっていた。
もうすぐ雨は止むみたいだ。
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*CAFE AU LAIT