COFFEE & LOVE―秘書課の恋愛事情―

ふと先日の雨の日の一件を思い出す。
チョコレートのお菓子。

…なんか有松さんと好きなもの、似てるんだよなぁ。

そんなことを考えていると、
私の手にしたトレーの上にぽんっ、と何かが置かれる感覚。

トレーに視線を落とすと、そこにはダークチェリーのデニッシュが乗っていた。


「あ、ありがとうございます!」


『…うまいよな、これ』

有松さんが言ったその時。

『あ、勇太と理央同じの買ってんじゃん!

ふぅーーん…なっかよしー♪』

有松さんの背後から昭香先輩が顔を出してニヤリと笑った。
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