COFFEE & LOVE―秘書課の恋愛事情―
CAFE MACCHIATO
*CAFE MACCHIATO 《昭香》
電車のドアにもたれかかって、外を見る。
雲一つない青空。
今日は先日、理央に頼み込まれた“パン屋”の日だった。
その後は特にどこへ行く、という話もしていなかったのでお昼過ぎに解散した。
なんせ理央の様子もどこかおかしくて、そのほうが良い気がした。
隣には、同じく窓の外を眺める横顔。
営業部の徳重くんだ。
帰りの方向が同じなので、途中まで一緒に帰ることになった。
もう一人来るらしい、とは理央から聞いていた。
待ち合わせに現れたのが、彼。
会社では楓王子なんて呼ばれていて、ファンも多い。
そんな“王子様”は、私の同期である勇太と一緒にいることが多く、
なんだかんだで話すようになった。
こんなにかっこよかったら、さぞモテるんだろうなぁ。
そんなことを思いながら窓の外に視線を戻す。