COFFEE & LOVE―秘書課の恋愛事情―
-endorphin-
頭がぼーっと沈んでいくような感覚。
気付くと私は彼の部屋にいた。
勧められるままソファに座り、ガラスのテーブルを見つめていると、
そこに透明のグラスが一つ置かれた。
『お茶しかないですけど、どうぞ』
顔を少し上げると、下から私の顔を覗きこむ彼と目が合った。
「…これ自分で作ってるの?
お茶。」
『え、はい。
水出しですけど』
そう言ってグラスを見る。
「…王子様なのに?」
再びこちらを見ると、彼は真剣な顔で答える。
『まぁたまには民衆の生活も体験しないとね』
お互いに堪え切れず頬が緩む。