COFFEE & LOVE―秘書課の恋愛事情―
リリリン。
小気味よいベルがなると、お昼の時間だ。
お昼は部屋の隅にある小上がりになったスペースで皆揃って食べる。
床にはラグが敷いてあり、L字型のソファも置いてある。
更にテレビもあるので、ちょっとした部屋だ。
他の課では外に食べに出たりもするが、
秘書課では電話の応対や取次ぎの仕事もあるため
オフィスが空になることがない。
コンコンコン。
花緒先輩が淹れてくれたお茶を小上がりまで運んでいると、扉をノックする音が鳴った。
お弁当の配達だ。
理央が扉を開けると、部屋にさわやかな声と共に
男性が一人、部屋に入ってきた。
『こんにちは!お弁当の配達に来ました!』
その手にはお弁当の入ったプラスチックの箱を抱えている。
…なんていうか。
どこかで…。
『柴犬…?』
昭香先輩の声が沈黙した部屋に落ちた。
ぶっ
『あははは!わかります!?
そうなんですよぉ、ちょっと柴犬っぽいですよね!
癒し系っていうか!』
噴き出した理央はそのまま笑いながら続ける。