COFFEE & LOVE―秘書課の恋愛事情―
「認めた」
『昭香さんがしつこいから乗っただけです』
二人の言葉の間にじれったいような、くすぐったいような空気が流れる。
私の左側、ソファが少し沈む。
『…昭香さん。』
すぐ隣から私を呼ぶ声。
この声に寄り掛かることができたら、楽なのに。
浮かぶのは、別の人の顔。
やっぱりこんなのいけない。
私にはできない。
「徳重くん、やっぱり私」
彼の方へ体を向ける。
次の瞬間、彼の頬が私の耳に触れた。
『ねぇ昭香さん、いいこと教えてあげる。
僕を…
有松さんだと思えばいい』