COFFEE & LOVE―秘書課の恋愛事情―
目を覚ますと、暗闇が目の前に広がっていた。
今が一体何時なのか見当もつかない。
ベッドから起き上がると、掛けられていた布団から身覚えのある香りがした。
『…ん、
起きた…?』
かすれた声がしたと思ったら、隣からもぞもぞと動く感覚とシーツの擦れる音がする。
カチッ。
音と共にオレンジ色の明かりに照らされると、お互いの顔がはっきり見えた。
ベッドの枕元に取り付けられたライトを見て、気付く。
さっきこれを点けなかったのは、
顔が見えないようにするため。
他の誰でもない私の為に。
その心遣いが嬉しくて、つい口の端に笑みが零れた。