彼はネガティブ妄想チェリーボーイ
そんな気分が悪い中、もっと悪くなる情報が放課後回ってきた。

顧問の河合先生に部員全員集められてプリントが渡された。

そこには県予選の日程と、学年ごとの時間割りが両面印刷で並んでいる。

テスト、補講、部活・・・

そうだ、すっかり去年のことを忘れてた。

「今年も、県予選が授業とぶつかるため、テスト期間中補講を受けてもらう。先生たちが野球部のためだけに、忙しい中時間を割いてくれてるんだ。気ぃ抜くなよ。部活だけじゃダメだからな。」

河合先生は喝を入れるような口調だ。

時間割りを見ると、午前中3科目テスト、4時間目と5時間目に補講、その後部活、の繰り返しだ。

そういえば去年、テスト期間中も部活があることに驚いた。
毎日クタクタになって帰ってから、次の日のテスト対策に追われた。

県予選もまずいけど、テストもまずい。

隣の荒木が小声で「これやばくね?」と言ってきた。

「やばい。」とだけ返す。

今日からは沙和ん家でダラダラしないで勉強しないと。

もちろん今日もこの後部活だ。
高校の部活は容赦ない。

< 12 / 96 >

この作品をシェア

pagetop