彼はネガティブ妄想チェリーボーイ
帽子の裏作戦
俺は今晩、帽子裏の「ガンバレ」をちゃんと書いてもらうことを決めていた。

帽子をわざと部屋に置く。

ここで待ってろ、帽子。

果たして沙和は、この部屋に来るんだろうか。

ザッと部屋を見渡す。

まあ、そんなに汚れてない。
というより物がない。

アレは、本棚の卒アルのところに隠してる。
使うわけないけど。

よし、そろそろご飯食べに行くか。

くったくたに疲れた体を起こす。

やべえ、肩が重い。
痛い。

明後日また試合だなんて信じたくない。
しかも相手は商業高校だ。

少し気分が暗くなる。

もういいや、とりあえず飯だ、飯。

俺は重い腰を上げてベッドから立ち上がった。

沙和に言うんだ。
「書き直してよ。」と。

頑張れ、俺。

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