彼はネガティブ妄想チェリーボーイ
保健室での出来事
終業式が終わる。

教室で荒木とおにぎり食べてからユニフォームに着替える。
部活に行こうと廊下に出た。

沙和のクラスの前。
つい中を覗くと五反田と松崎が俺を見て走ってきた。

「平良、聞いた?」

五反田が聞いてくる。

「何が?」
「終業式の最中に、前山さん倒れたって。」

えっ・・・

頭真っ白になる俺。
全然気付かなかった。

すると、教室の真ん中付近から新庄さんと高橋さんが来た。

「倒れてないよ、おおげさ。」

新庄さんが五反田に言う。

「なに?熱中症?」

俺が聞くと、新庄さんと高橋さんが顔を見合わせて「違うよねえ?」と言う。

「たぶん、いつもの貧血だと思う。1年の時もあったよ?」

沙和が貧血って聞いたことなかった。

「貧血ってあれか、女の子の日か。」
「五反田、最低。」
「黙れ。」

五反田と新庄さんと高橋さんの会話が耳を通り過ぎていく。

「ごめん、ちょっと保健室行ってから部活行くわ。」

俺はそう言うと、みんなを残して廊下を走り出した。

もしかして朝から具合悪かったのかな。
俺だけ調子に乗ってベラベラ喋ってたから、全然気付いてあげられなかった。

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