彼はネガティブ妄想チェリーボーイ
昼飯中、松崎が突然会話を始めた。
「みんななんか眠そうじゃん。俺、昨日家帰ったら爆睡だったけど。」
荒木が笑いながら睨む。
「自慢風自虐な。」
「自慢以外の何物でもないんだけど。」
「かわいそうなやつだな。」
五反田が松崎に憐れな目を向けた後、俺の方を向く。
「昨日、平良はどうしたの。もしやお前、俺らが花火見てる最中に・・・」
「寝た。」
「ん?」
五反田が目をぱちくりさせる。
「そ、それはどっちの意味の・・・」
「どっちも何も・・・」
「平良、『寝る』って睡眠の意味だけじゃないの、分かってるよな。おまえ・・・前山さんと・・・」
五反田の言葉を遮る。
「うるせーわ。睡眠の意味しかねえよ。」
俺はでかいおにぎりにかぶり付いた。
「やっぱり花火大会行かなかったんだ?」
荒木が言ってきた。
「行ったよ。」
「は?」
「行ったけど、眠すぎて花火の最中は寝てたの。」
俺の発言に、荒木と五反田が「最低だな」と笑う。
「前山さん、なんで平良と付き合ってんだろうな。」
「こんな男の何がいいんだろうな。」
五反田と荒木が笑いながら話す。
「振られないように頑張れよ。」
荒木が言ったところで、「あ、そうじゃないそうじゃない」と五反田が言った。
「お前、もう卒業したのか?」