素直になれない夏の終わり

「それで今日はお弁当がないわけなのね。珍しくコンビニの袋を持ってるからどうしたのかと思ったら。それで、結局津田から連絡はあったの?」


くしゅんとくしゃみを一つ、鼻をかみ終えたところで、夏歩は首を横に振って美織のその問いに答える。

アパートを出るまでに何度も確認し、出てからも始業時間まで何度か確認したが、結局津田からの連絡はなかった。

お昼休みとなった今も、既に何度も確認しているが、連絡はない。


「相手が夏歩なら、津田に限って連絡を忘れることなんてないと思うけど」

「でも実際、連絡は来てないわけだし」


言いながら、夏歩は本日何度目になるかわからないスマートフォンの確認作業を行う。


「夏歩から連絡はしてみたの?」


やっぱり何のメッセージも受信していないスマートフォンをテーブルに置き、コンビニの袋に手を突っ込んでいた夏歩は、その問いに顔を上げる。


「なんで?」

「……なんでって、気になるなら普通は連絡するでしょ。向こうから連絡がないならなおさら、こっちからしてみようってならないの?」
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