【極上旦那様シリーズ】きみのすべてを奪うから~クールなCEOと夫婦遊戯~
「……サンクチュアリに?」
「はい。あの、尊さんもご存知の凛子に誘われたんです。彼女、今気になる男性がいて、すごいイケメンだから私にもぜひ一度見せたいと」
夜遅くに帰ってきた尊さんに、作っておいた夕食を温めてあげながらさっそく相談してみた。
ダイニングの椅子に座ってサラダをつまんでいた尊さんは、少し考えてから条件付きで許可した。
「行くのは構わないが……美織は酒の飲みすぎに注意な。あそこには時々紳士の顔した野獣が混じってるから」
紳士の顔した野獣……。
「それって……尊さんみたいな?」
冗談でそう口にしてみると、尊さんは心外だという風に顔をゆがめ、椅子から立ち上がってキッチンにやってきた。
今夜のメインディッシュ、柔らかく煮込んだビーフシチューをお皿に盛りつける私の腰に腕を巻き付け、ぴたりと体を密着させながら問いかけてくる。
「俺のどこが野獣だって?」
「だって……初めてあのお店で会った時は、そうだったじゃないですか。最初こそ王子様みたいな振る舞いでしたけど、私が気を許したら野獣の本性を見せて」
「……美織だって食われたがってたくせに」
耳元で吐息たっぷりに囁かれ、かぁっと頬が熱くなる。