【極上旦那様シリーズ】きみのすべてを奪うから~クールなCEOと夫婦遊戯~
「そうやって気合い入れてくれるのが俺のためだと思うと、うれしいものがあるな。せっかくだから、打ち合わせの後に映画でも観るか」
「いいんですか?」
「ああ。観たいもの考えておけよ」
わぁ……ふたりで映画を観るなんて、まさに憧れの王道デートコース。尊さんとの距離をぐっと縮めることができるかもしれないなんて、期待しちゃうな。
私は自然とにやけてしまいそうになる頬を引き締めつつ、ワイングラスに手を伸ばした。
*
翌日、私たちは尊さんの運転で、間近に東京タワーの望める優雅なホテルを訪れた。
スカイイーストのグループ企業のホテルということで、尊さんの顔はスタッフのほとんどが知っており、彼が通ると皆姿勢をまっすぐに正し、うやうやしく一礼をした。
しかし尊さんの方はプライベートだからか気軽な調子で、スタッフの前でも平然と私と手を繋いで歩くので、こちらは恥ずかしくて仕方がなかった。
その後、パールホワイトを基調としたインテリアに囲まれた明るい雰囲気のサロンに案内され、担当のウエディングプランナーとおおまかな予算、式次第、会場のレイアウトなどの打ち合わせをした。