【極上旦那様シリーズ】きみのすべてを奪うから~クールなCEOと夫婦遊戯~

私の両親の希望で、式は神前式。その後の披露宴では両家とも互いに招待客が多いので、会場には千人まで収容できるメインバンケットを借り、盛大に執り行われる。

そして尊さん側は海外からのゲストも多くお呼びするため、料理ひとつ選ぶのにもそれぞれの文化や宗教なども考慮しなければならず、そのあたりを詳細に記した招待客のリストを次の打ち合わせまでに用意する運びになった。

「これから衣装も音楽も考えなくてはなりませんし……。招待状や指輪も準備しなきゃならないんですよね。まだ半年あるとはいえ、あっという間に過ぎてしまいそうです」

ホテルを出て、駐車場で彼の車の助手席に乗った私は、ついため息をこぼした。

結婚式の準備って、思った以上にやることが多い。私は少々甘く見ていたみたいだ……。

「美織は真面目に考えすぎだといつも言っているだろう。料理は多少気を遣う部分もあるが、衣装や音楽、指輪なんて自分たちの好きなものを選べばいいだけだ。招待状だってゲストのリストだけきちんと作って、あとはプロに任せればいい」

尊さんはシートベルトを締め、車を発進させる準備をしながら、あっさりと言ってのける。

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