【極上旦那様シリーズ】きみのすべてを奪うから~クールなCEOと夫婦遊戯~
彼との結婚が決まった時には一体この先どうなるのかと不安ばかりだったけれど……私たちの間にも、ちゃんと恋心が生まれたみたい。
でも、まだまだやっとスタートラインに立てたところ。夫婦として、永遠を誓い合えるほどの深い想いを、これからふたりで育てていかなくちゃ。
「というわけで、お互いの気持ちも確認できたことだし、改めて行くか、デート」
「……はい! 私、ちゃんと見たい映画チェックしてきました!」
「よし。じゃあどこかで軽く食事して、映画館向かうぞ」
尊さんが車を発進させ、街中を走りだす。
先ほど想いを伝え合ったせいか、車内は終始和やかなムード。他愛のない話をしているとあっという間に目的地周辺に着いてしまった。
適当な駐車場に車を停め、近くのカジュアルなフレンチ店で遅めのランチを済ませてから、いざ映画館へ。
「若くして夫を亡くした妻が、過去にトリップしてなんとか夫を死なせないように奮闘するんですけど……思うように運命を動かせなくて苦悩しながらも、夫への愛情を再確認していく……というような、切ないSFものみたいです」
目当ての作品の上映時刻にはまだ時間があったので、ロビーのベンチにふたりで腰かけ、事前に調べておいた作品のあらすじを尊さんと話した。彼は小さくうなずきながら、私にこんなことを尋ねる。