【極上旦那様シリーズ】きみのすべてを奪うから~クールなCEOと夫婦遊戯~
尊さんの腕が私の肩を抱き寄せ、互いの体をぎゅっと密着させた。
は、恥ずかしい……。どくどく鳴る自分の鼓動が、耳の奥で聞こえる。
でも、こんなに近くで尊さんのあたたかなぬくもりを感じられるのは、胸がつぶれそうなほど幸福で。
「尊さん」
「ん?」
「結婚式、思い出に残るいいものにしましょうね」
沈んでいく夕陽を見つめて彼に告げると、尊さんは私の肩に添えた手に力をこめ、「ああ」と力強く返事をしてくれた。
その夜、私はなんとなく緊張しながら寝床に入った。というのも、今日は昼間、お互いに恋心が芽生えていることを確認し合い、心の距離も近づいたことだし、このタイミングで体も……という展開になるのではと、勝手に想像したからだ。
先にお風呂に入らせてもらった私は、いつも以上に体を綺麗に手入れして、そうなったときに備えて現在心を整えている最中。
一方尊さんも現在お風呂に入っていて、そろそろ上がって部屋に戻ってくるのではないかと思うのだけど……。