【極上旦那様シリーズ】きみのすべてを奪うから~クールなCEOと夫婦遊戯~
布団を口元までかぶってドキドキしていると、ガチャリとドアが開く。部屋に入ってきた彼とばっちり目が合い、私は思わず布団を頭からかぶった。
ああどうしよう、緊張しすぎてどんな顔をしたらいいのかわからない……。布団の中でぎゅっと目を閉じ、ばくばくうるさい心臓の音を全身で感じる。
尊さんは何も言わずにドアを閉め、ピッと音を立てて照明のリモコンを操作した。布団越しに部屋が暗くなったのがわかり、ますます落ち着かなくなる。
ひたひたと素足の彼の足音が近づいてきて、ベッドがぎしりと軋む。
次の瞬間バサッと布団が捲られ、怯えながら目を開けると、常夜灯の微かな明かりの中で私に覆いかぶさり、意地悪な笑みを浮かべた尊さんと目が合う。
「美織。……意識してんのばればれ」
低い声にそう囁かれ、頬にかぁっと熱がのぼった。
「い、意識ってなにを……」
「今夜は俺に抱かれるかも――って思って、いっぱいいっぱいなんだろ?」
なんてこと……。尊さんにはすべてお見通しだったらしい。私は観念したようにコクンとうなずき、頼りない表情で尊さんを見つめた。