【極上旦那様シリーズ】きみのすべてを奪うから~クールなCEOと夫婦遊戯~
尊さんはそんな私の緊張を解くように、優しいキスを一度唇に落とし、それからシーツの上に置かれた私の手に指を絡ませて握る。
「無理強いはしたくないと思っているが、美織さえよければ少し前に進んでみないか? ……もっとお前とわかり合いたいんだ」
「尊さん……」
同居初日のようなただ欲望をぶつける感じとは違い、私の気持ちを優しく溶かそうとしてくれる彼の思いが伝わり、ためらう気持ちがほどけていった。
今の尊さんなら、信じられる。きっと私を大切に抱いてくれるだろうって。
「私も、もっとあなたを知りたい。……教えて、尊さん」
「美織……。わかった、嫌というほど教えてやるよ」
そんな会話を最後に、尊さんは私の唇を甘くふさいだ。繰り返し角度を変えながら私の唇を食み、緩んだ唇の隙間から舌を差し入れる。
いつもは受け身ばかりの私だけれど、今夜は少し積極的になろうと決めて自ら求めるように舌を絡ませれば、尊さんがキスの合間に呟く。
「……上手くなったな、キス」
「そ、そんなの自分じゃわかりませんけど……そうだとしたら、尊さんのせいです。キスも……その先のなにもかも、あなたとしか経験がないんですから」