【極上旦那様シリーズ】きみのすべてを奪うから~クールなCEOと夫婦遊戯~
息のかかる距離で見つめ合いながら話していると、尊さんはたまらずと言った感じにチュッともう一度キスをしてから、吐息交じりの掠れた声で甘い命令を下した。
「この先も……お前は俺だけ見ていればいい。心にも体にも、俺だけを刻みつけろ」
独占欲を剥き出しにする彼に、お腹の奥が熱く疼く。
「尊さん……はい、約束します」
「いい子だ」
尊さんは美しくサディスティックな笑みを浮かべてキスを再開しながら、私のパジャマのボタンに手をかける。緊張で震えそうになりながら、彼のなすがままに身を委ねていたその時だった。
互いの吐息しか聞こえなかった静かな部屋に、突然携帯の着信音が鳴り響く。
「……俺のだな。誰だこんな時間に」
一旦動きを止めた尊さんは忌々し気に呟き、スマホの置いてあるヘッドボードに長い腕を伸ばした。私は未だ高鳴る胸の鼓動を感じつつも少し冷静になり、尊さんを見守る。
「直美か……」
スマホの画面を確認した彼がぽつりと呟いたのは、女性の名前だった。私はなんとなく胸がざわつき、平静を装って彼に尋ねる。