【極上旦那様シリーズ】きみのすべてを奪うから~クールなCEOと夫婦遊戯~

「……はい」

おずおず視線を彼に合わせると、彼はなぜか締まりのない笑みを浮かべている。というか、完全ににやにやしているように見えるのですが……。

「お前……想像以上に俺に惚れているんだな。嫉妬なんかしそうにない性格だと思っていたが、ちょっとほかの女から電話があっただけでそこまで取り乱すとは……」

からかわれているのだろうか。私は真剣に訴えたのに、心外だ。

ムッとして尊さんを睨むと、その視線に気づいた彼は、両手で私の顔を包み込みこつんとおでこ同士をくっつけると、内緒話のように囁いた。

「〝可愛い〟って言ったんだ。……今までの女全員が束になってかかったって、お前以上にはなれない。……どうやら俺も、相当お前に惚れ込んでるらしい」

「尊さん……」

ああもう……。尊さんは本当にずるい。やきもきさせられた後で、そんなふうに甘いことを言われてしまったら、簡単にほだされてしまいます……。

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