【極上旦那様シリーズ】きみのすべてを奪うから~クールなCEOと夫婦遊戯~
嫉妬遊戯
その後も尊さんは相変わらず多忙を極め、週に一度休めれば幸運といった日々の中でなかなか彼とゆっくり夜を過ごす時間が取れなかった。
それでも五月のゴールデンウィークにはまとまった休みを取れると聞いていたので、それを励みに過ごすこと二週間。
尊さんがお休みに入る前日の夜に、私は凛子に呼び出されて久々のサンクチュアリにやってきた。
会社帰りの凛子がフラッとバーを訪れたところ、例の眼鏡イケメンが偶然カウンターにいたため、慌てて私に連絡してきたのだ。
尊さんも今夜は遅いというし、サンクチュアリに行くことには以前許可をもらってある。
さて、凛子のお目当てとなる男性はどんな人だろう。
単純な好奇心と、それから久々の夜遊びということで高揚感もあり、私はわくわくしながら六本木の街へ繰り出したのだけれど。
「美織~、こっち!」
初めて訪れたバーの薄暗い照明の中でも目立つ、凛子のピンク頭を認めてホッとしたのもつかの間。
カウンターに歩み寄っていく途中、彼女の隣で煙草をくわえて座る男性の姿がハッキリしてくるのとともに、私の胸はざわめき出した。