【極上旦那様シリーズ】きみのすべてを奪うから~クールなCEOと夫婦遊戯~
甘く不埒な囁きに、どくん!と心臓が激しく脈打った。と、同時に背中からソファに押し倒され、手首を拘束される。
ぱっちりとしたアーモンドアイが鋭く細められ、王子から獰猛な獣に豹変してしまったかのような彼に、加速した鼓動が止まらない。
尊さん、さっきまでと人が変わったような……?
いや、きっと男性というのはこういう時みんなそうなるものなのだ。さっきまでの彼は、王子の顔の中に野性を隠していただけのこと。こうして獲物を捕らえる隙を、虎視眈々と狙っていたのだ。
落ち着くのよ美織。覚悟はできているはずでしょう……?
躊躇いと期待との入り混じった眼差しで彼を見上げると、クッと喉を鳴らして笑った彼が、ぞくりとするほどのSっ気を滲ませながら言い放った。
「……なら、思う存分俺を味わわせてやるよ。意識飛んでも知らないぞ」
えっ。意識が飛ぶって、どういう……。
深く考える暇もなく、尊さんの大きな影が私に重なり、キスの雨が降ってきた。
口移しをするわけでもないのに入り込んできた彼の舌が、私の上顎を、歯列を、隅々まで犯していく。