【極上旦那様シリーズ】きみのすべてを奪うから~クールなCEOと夫婦遊戯~
むくれる美織の頭をポンポンと撫で、俺は優しく諭す。
「わかったよ、あとでちゃんと考えるから、次はとりあえず美織の番にしないか。今日は美織のドレス姿が見られるって、前からずっと楽しみにしていたんだ」
「……わ、わかりました」
頬を赤らめて従順に頷く美織が可愛すぎてついキスをしたくなるが、花嫁の着替えを手伝う女性スタッフがふたりほど付き添っているため、あまり大胆な行動には出られず少々物足りない。
どうにかチャンスを作れないものかと悶々としつつも、ドレスを選んだ美織が試着室に消えてゆくのを見守った。
待ち時間の間に椅子に座ってスマホのチェックをしていると、連休最後の日曜日に参加する予定のパーティーについて、秘書から確認のメールが入っていた。
毎年開かれているそのパーティーは、あらゆる分野で活躍する企業のトップたちが集まり、情報、意見交換をする懇親会のようなものだが、そこから新たな人脈が築けることも稀ではないため、参加を欠かしたことはない。
しかし、俺は普段からスケジュールは秘書任せで、あまり自分の予定を頭に入れておくことをしないため、秘書は心配になってメールを寄こしたのだろう。