【極上旦那様シリーズ】きみのすべてを奪うから~クールなCEOと夫婦遊戯~
その手つきはとても優しく、けれど私の弱点を知り尽くしているかのように巧みで。
自分でも知らなかった女としての部分が、彼によってひとつひとつ開花させられていくのを感じていた。
いつの間にか邪魔なワンピースは取り去られ、下着も外されてしまった。尊さんも上半身にシャツを纏っただけというしどけない姿になっていて、ちらちらと覗く筋肉質な胸元が妖艶極まりない。
「箱入り娘と聞いていたが……まさかこんなに乱れるとはな」
ひとつになる直前になってそんなことを呟く彼にかあっと頬が熱くなった。
私に言わせれば、乱れたのは尊さんのせいなのに……。
急に恥ずかしくなって両手で胸を隠すと、尊さんの手が優しくそれをどかしてソファに縫い付けた。
「謝る必要はない。むしろ楽しみになった、これからの色んなことが」
「これから……?」
どういう意味かと聞き返したけれど、尊さんは意味深に微笑むだけ。
「……なんでもない。ほら、こっちに集中」
「あ、尊さ――」
甘い痛みに貫かれ、ぎゅっと閉じた目の端にじわりと涙がにじんだ。