【極上旦那様シリーズ】きみのすべてを奪うから~クールなCEOと夫婦遊戯~


「おたくの美織ちゃん、なかなかイケナイ子ですよね?」

冷笑を浮かべた彼の言葉は、俺の耳を右から左へ流れていった。それよりも、差し出されたスマホ画面に映る衝撃的な写真に目が釘付けになる。

写っているのは間違いなく俺の最愛の女性、美織だ。しかし同時に、これが彼女であるはずがない、という矛盾した思いも抱く。

なぜなら写真の中の美織は、おそらくベッドの上と思われる場所で、見知らぬ刺青の男に腕枕をされて無防備に眠っているのだ。

俺の知る美織はこんな裏切りはしない。できない。そんな強い思いを抱きつつも、全身の血液が沸騰したかのように、体が熱くなってくる。

……こんな写真が撮れたのは、おそらくあの日しかない。美織が酔って朝帰りをして……気まずそうに帰ってきたあの日。美織の隣には、この男が立っていたんだ。

あの時は美織と一緒になって自分たちは潔白だと証言していたはずだが……なぜ今になってこんな写真を?

「それ、あの日俺とセックスした後ですよ。美織ちゃん、喘ぎ疲れて寝ちゃって」

この男……なにを馬鹿な……。

勝又の言い分を信じる気など微塵もないのに、胸はざわざわと騒いで落ち着かない。

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