【極上旦那様シリーズ】きみのすべてを奪うから~クールなCEOと夫婦遊戯~
勝又さんの犯した行動は許されないし、これからきちんと罰を受けるべきだとも思う。
……でも、彼もまた、ある意味被害者だったのだ。
どうかきちんと更生して、彼が新たな人生を歩むことができますように。私は心の中で、そう強く願った。
話し込んでいたらすでに朝方とも呼べる時間になってしまい、その日は私も尊さんも実家に泊まらせてもらうこととなった。
もともと私が使っていた部屋で、尊さんは私のベッドの隣に布団を敷き、そこに寝転がる。
私も自分のベッドに横になったけれど、あんな事件の後では目が冴えてしまって、なかなか眠れない。それに、さっきの話を聞いて少し彼に聞いてみたいことがあった。
「……尊さん、寝ました?」
「いや、まだだ。……美織も眠れないのか?」
「はい。あの……ひとつ、聞いていいですか?」
「ひとつでもふたつでもどうぞ」
枕に肘をついてこちらを向く尊さんは軽く笑ってそんなことを言うけれど、実はけっこう重い話をしようとしているので、緊張気味に口を開く。
「さっきの……〝血〟の話なんですけど」
「ああ、美織の中にも勝又の血が流れているっていう?」
「そうです。あの話を聞いて……尊さん、どう思いました?」