【極上旦那様シリーズ】きみのすべてを奪うから~クールなCEOと夫婦遊戯~
「しかし……妻である美織は、そんな俺とは正反対の真面目な女性です。まっすぐで、凛としていて、純粋で……それでいて、女神のように寛容で、優しくて」
尊さん……。生真面目でつまらない、頑固で世間知らずな私を、そんなに素敵に褒めてくれるのはあなただけです……。
照れくさいけれど、それ以上に温かい喜びが、胸に広がる。
「俺は彼女に惹かれ、愛を知りました。それは、今まで経験した遊びのどれよりも難しくて、なおかつ壊れやすく、今までの俺ならば途中で放棄していたであろう面倒な代物でした。……しかし彼女とともにその面倒さに向き合ううちに、この胸に〝愛しい〟という感情が生まれたことに気づきました。今も彼女を見つめれば湧き水のように自然にあふれてくる、この尊い気持ちに」
彼はそう言って、私を見つめる。吸い込まれそうなほど美しい瞳が、白無垢に身を包む花嫁姿の私を映した。
「だから……この大事な結婚式の日に、俺は誓う。何物にも代えがたいこんな気持ちをくれた彼女に、永遠の愛を捧げると。この先何があっても、彼女を信じ、守っていく。美織……俺についてきてくれるな」
尊さんらしい、強引で頼もしい言葉に、胸がじんと熱くなる。
私は少し泣きそうになったのを堪え、にっこり微笑んで頷いた。