【極上旦那様シリーズ】きみのすべてを奪うから~クールなCEOと夫婦遊戯~
「なんだか夢みたいでした……。あんなに大勢のお客様がみんなが楽しそうに笑って、私たちの結婚を祝福してくれて」
結婚式、そしてそれ以上に豪華絢爛な披露宴を終え、私たちは同じホテルのスイートルームでくつろいでいた。部屋の大きな窓からは、東京タワーの暖かなオレンジ色の輝きを筆頭に、都会の美しい夜景が堪能できる。
今夜はここへ泊って、明日からは待望のハネムーン。行き先は美しいサンゴ礁の海や、亜熱帯の特徴ある動植物が自慢のフィジー島だ。
尊さんは現地でも多少仕事をしなければならないそうだけれど、ふたりで海外旅行だなんて初めてのことだから、今夜は興奮して眠れそうにない。
それでも体は疲れているので、シャワーを浴びた後はお揃いのバスローブ姿で尊さんと共にひとつしかないベッドに横になり、軽く髪に触れあったり手を握り合ったりと軽い戯れを楽しみながら、他愛もない会話を交わしていた。
「夢じゃないだろ。俺たちはちゃんと夫婦になった」
尊さんがそう言って、私の左手を取る。そして薬指に輝くマリッジリングを見つめたかと思うと、そこにチュッとキスをした。途端に胸が高鳴って、頬が熱くなってしまう。