【極上旦那様シリーズ】きみのすべてを奪うから~クールなCEOと夫婦遊戯~
はー……すごいんだな尊さんって。
内面からにじみ出る自信が、彼を一層輝かせている気がした。
「なるほど。鞍馬会長からも息子であるきみの素晴らしさを聞いてはいたが、こうして話してみて、私はさらにきみが気に入ったよ。公私ともに、これからも手を取り合って行こうじゃないか。追加融資の件も、前向きに検討するよう口添えするよ」
「ありがとうございます」
父は満足げに頷いたあと、不意に私に話を振った。
「どうだ美織、驚いたろう。結婚相手にこれほど条件のいい男はいないぞ。鞍馬くんは今まで私や母さんの言いつけ通りにまっすぐ育ってくれたお前への、サプライズプレゼントといったところだ」
サプライズプレゼントって……わが父ながら、よく言うわ。みそら銀行、そして相手方の会社の一層の躍進のための政略結婚だと、前々から私に言い聞かせていたくせに。
そんな出会いうれしいはずがないし、相手が尊さんだと知って、戸惑いは増すばかりだ。