【極上旦那様シリーズ】きみのすべてを奪うから~クールなCEOと夫婦遊戯~

そして迎えた日曜日。私はさっそく世田谷の実家から、代官山の尊さんのマンションへ引っ越してきた。

コンシェルジュが二十四時間常駐し、一階に商業施設、屋上にはフィットネスジムのあるグレードの高いタワーマンションで、住み心地はとてもよさそうだ。

その三十五階にある彼の自宅では、現在夫婦の寝室となる大きなベッドがある部屋で、引っ越し業者に運び込んでもらった段ボールを荷ほどきしている最中。休日の尊さんもその作業を手伝ってくれている。

しかしその最中、彼は私の荷物のうちのひとつを見て失礼なことを言った。

「美織、このおもちゃはなんだ? いくら大人の遊びを知らないからって、未だに幼児のおもちゃで遊ぶのはどうかと思うぞ」

「おもちゃじゃありません。ていうか、勝手に触らないでください、私がやりますから!」

段ボールを覗いて呆れる尊さんの元に駆け寄り、中のものを両手でそっと持ち上げる。

赤い屋根にレンガの壁。中には小さなカントリー調の家具が並ぶその可愛らしい家は、私が大切にしているドールハウスだ。

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