【極上旦那様シリーズ】きみのすべてを奪うから~クールなCEOと夫婦遊戯~
「置き場所はどうしましょうか。この棚は尊さんのものですし、新しく私用の棚を買いますか?」
「それでもいいが、リビングにちょうどいいキャビネットがある。今は俺のワインコレクションが並べてあるが、お前のためにスペースを空けてやるよ」
「えっ。いいんですか?」
完全に私個人の趣味のものを、リビングに置かせてもらうなんて……それに、尊さんはワインに並々ならぬこだわりがあるようだったから、なんだか悪い気がしてしまうのだけれど。
「これからこの家は俺たちふたりの家になるわけだから、俺の趣味ばかり押し付けてもしょうがないだろ。それにこのドールハウス、ヨーロッパの田舎町に建つ家によく似ている。ワインの隣に置くのもなかなか風情があるだろう」
「尊さん……ありがとうございます」
結婚生活を遊びだなんて言葉で言い表していた彼だけど、ふたりで暮らしていくこと、思った以上にちゃんと考えてくれているみたいだ。
「その代わり」
すっかり安堵していた私の耳にそんな低い声が聞こえたのと同時に、尊さんが不意うちで私にキスをした。
えっ……なんで突然……!?