【極上旦那様シリーズ】きみのすべてを奪うから~クールなCEOと夫婦遊戯~
悪いと思ってつい遠慮すると、尊さんは呆れたように笑った。
「あのな。いくら仕事でも、婚約者のために土産を選ぶ時間くらいあるから心配するな。ま、リクエストが思いつかないなら、俺が勝手に選んで買ってくるが」
「あ……それがいいです!」
突然声を張り上げた私に、尊さんが怪訝な顔をして「それってなんだ?」と聞き返す。
「あの……私が喜びそうなものを尊さんご自身で考えながら選んでもらえたら、それが一番うれしいお土産だなって思って」
尊さんはキョトンとして目を瞬かせた。
もしかしたら、ちょっと面倒なリクエストだろうか……。仕事の合間に買ってきてもらうただのお土産に、多くを望みすぎ……?
言ってしまってから、彼に受け入れてもらえるかどうか自信がなくなって私はうつむいた。
すると、頭のてっぺんにポンと彼の手が乗り、それから優しい声が降ってきた。
「わかった。美織のこと思い浮かべながら、真剣に選んでくる」
「尊さん……ありがとうございます、楽しみにしてます」