【極上旦那様シリーズ】きみのすべてを奪うから~クールなCEOと夫婦遊戯~

尊さんにせかされて、私はとりあえずお風呂に入って気持ちを落ち着かせることにした。

髪と全身を洗ったあと、湯船につかってぼんやりピアスについて思いを馳せる。

可愛いよね、あのピアス……。尊さんが私に似合いそうだからと選んでくれた物だし……できれば身につけたい。

彼が言うには、穴をあける痛みは一瞬。その一瞬を誰に任せたいかと聞かれたら……見ず知らずのお医者様よりは、尊さんの方がいい。

だって、病気でもないのに自分の体を傷つけるのだ。そんな行為を信頼して任せられる相手は、夫となる彼以外にいないのではないだろうか。

尊さんの手で、なんの面白みもなかった優等生の自分から、新しい自分に変わる。ピアスひとつで大げさかもしれないけど、そんな考え方も悪くないんじゃないかな。

覚悟を決めた私は、お風呂から上がると愛用のシルクパジャマに着替えて、スキンケアの後で髪を乾かし始める。

その途中で尊さんが洗面所にやってきて、「俺も入る」と言いながらいきなりワイシャツのボタンを外し始めたので、私はぎょっとした。

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