【極上旦那様シリーズ】きみのすべてを奪うから~クールなCEOと夫婦遊戯~

「ちょ、ちょっと、私のいる前で脱がないでください!」

「なにを今さら。夫婦になるんだから、夫の裸くらい見慣れろ」

私の抗議を無視して、全部のボタンを外した彼がバッとシャツを脱ぐ。そこから鍛え上げられた張りのある胸筋や美しく割れた腹筋が露わになり、思わず目をそらした。

慣れろと言われたって、そんな色っぽすぎる肉体直視できない……!

早く髪を乾かして出て行かなきゃ、とドライヤーの風量をマックスにして雑にブローする。

すると上半身裸で、ベルトの外れたスラックスを腰に引っ掛けただけというなんともセクシーな姿の尊さんが洗面台にやってきて、なぜか私の手からドライヤーを奪う。

そしてスイッチをかちりとオフにしたかと思うと、反対の手で私の髪をすくってサラサラと肩に落とした。

「せっかく綺麗な髪なんだから、もっと丁寧にやれ。お前の長い黒髪、好きなんだから」

〝髪型が〟という意味にすぎないのだけれど、好きだなんて言葉が彼の口から出たのでついドキッとした。

この髪型、今まで自分ではつまらないと思っていたけど……尊さんに褒められただけで、不思議と愛着がわいてくる。単純すぎるかな、私。

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