一途な執事と甘いティータイム



見られて恥ずかしいものは……ない。



嫌なものと言われれば、タンスの中にしまっている下着くらい。



あの大河だけど、さすがにそんなことまではしない……はずだけど。



一緒にいるのは嫌で、このまま置いて違うところへ行こうかと思ったけれど、自分の部屋に大河一人置いておく方が不安になり、結局自分も部屋に入ってしまった。



「んー、やっぱりいいね、このふかふかのベッド!」



……変な心配して損した。



そう言えば小さい頃から、大河は私のベッドがお気に入りなんだっけ。



大河は昔のように私のベッドに座って飛び跳ねたり、大の字に寝転がってふかふかのベッドを満喫していた。



何とも複雑な気持ちだけど。



「大河はパーティー会場にいなくて大丈夫なの?」



私は自分の部屋の椅子に座り、ため息をつきながらそう問いかける。



「まー大丈夫じゃない?いつもこんなんだし……菓乃ちゃんこそ大丈夫?桜宮グループ主催のパーティーなのに」



大河は逆に私の心配をしてきた。



まぁ、大丈夫じゃない……のかもしれないけど。



「私が居ないくらいどうってことないよ」



私がそう言うと大河は「菓乃ちゃんはパーティーを脱走する常連さんだもんね」とくすくす笑っていた。



事実なんだけれど、なんかムカつく。

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