一途な執事と甘いティータイム
「ねぇねぇ菓乃ちゃん、そんな遠くに居ないでこっちおいでよ」
寝そべっていた大河はいつの間にか起き上がっていて、ベッドをとんとんと叩いて私を呼んだ。
「やだよ、なんでそっちに行かないといけないの?」
「なんでって……俺が菓乃ちゃんと一緒にいたいから?」
「……っ」
大河はそんな甘い台詞を吐くのが得意だ。
そうやって、周りのお嬢様たちを口説いては遊んでいるんだから。
ドキッとしたら負け。
惑わされちゃダメ。
「ぜーったいに嫌」
「じゃあ、俺がそっちに行くよ」
……はぁっ?
そういうなりベッドから立ち上がり、真っ直ぐこちらへと向かってくる大河。
ちょ、ちょ……どうしよう。
とっさの時に動けなるのはどうしてなんだろうか。
椅子の肘掛けにしがみついたまま、じっとしていることしかできない私。
「ほら、おいで俺のお姫さ───」
────バーンッ!
「菓乃お嬢様!昨日、パーティーにはちゃんと参加しなければならないとあれほど……あっ」