一途な執事と甘いティータイム
電車に揺られること1時間。
窓の向こうに光が照り返す海が見えてきた。
「美菜子!海見えてきたよ!」
「本当だー!もう人がいっぱいだね」
さすが夏休み。
もうすぐお昼というこの時間は、もう既に海水浴客で賑わっていた。
遠い電車の中からもその様子がわかるくらい。
それから10分ほどで海水浴場の最寄り駅に電車が停車し、ぞろぞろと出ていく乗客の後ろについて一緒に出てきた。
この駅で降りた人たちの目指す先は、みんな同じ海水浴場。
目の前には海も広がっていて、たくさん人もいたのもあり、迷わずにたどり着くことができた。
「思ってたよりすごい人だね……」
「うん」
遠くから見ていたよりも、会場に来てみるとその人数は倍以上に見える。
驚きを隠せていない美菜子に、私も共感して頷いた。