一途な執事と甘いティータイム
「ねぇねぇ、早く海入りにいこ……」
──ぐぅううう
騒がしい海水浴場でも隣にいればはっきり聞こえるほど大きなお腹の音。
「……あはは」
「もうお昼だし、ご飯食べてから遊びに行こっか」
美菜子は優しい。
お腹がペコペコな私は、海で早く遊びたい気持ちもあるけれど、腹ごしらえをしたい。
だって、更衣室を出てから思っていたけど、海の家が近くにあって、そこから美味しそうな匂いがプンプンしてくるんだもん。
これはお腹も空いてくるよ。
お昼時でお店も混んでいたけれど、第1弾のお客さんがちょうど出る時間帯だったらしく、入れ違いですぐに座ることができた。
さて、何を食べようか。
テーブルの上に置かれているメニュー表を見て、悩む。
ラーメンにカレーライス、丼物などいろいろあるけれど、やっぱり海の家のメニューと言えば……
「焼きそばかなぁ」
「うんうん、わかる!」
よくテレビで見るメニューは焼きそばで、美菜子と意見が一致した。